ちいさいひと第1巻~第2巻にかけて収録されているエピソード2は、児童虐待のなかでも最も注目されることの多い身体的虐待をテーマにしたエピソードとなっています。
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ちいさいひと:エピソード2の登場人物
・宮澤海斗(3歳)「かーくん」
・宮澤優真(2歳)「ゆーくん」
・宮澤拓真:父親
・宮澤葵:母親
・相川健太:児童福祉司
・塚地誠:児童福祉司
・長澤綾香:保育士
エピソード2は、幼い兄弟が手をつないで道路を歩いている姿から始まります。
そこを通りがかったおばさんが、2人の姿を不審に思い声をかけると、1人の男の子の顔は腫れ、手足にはたくさんの傷と火のついたタバコを押しつけられたような痕がたくさんあることに驚き、どうしたのかと尋ねると、その男の子の口からは「パパにたたかれたの」「ぼくの手・・・溶けちゃった・・・」と衝撃の言葉が発せられます。
慌てたおばさんは、近くの保育園に連れて行き、一時保護してもらい児童相談所と警察へ連絡することに。
兄弟の名前は、3歳のお兄ちゃんが「かーくん」、2歳の弟が「ゆーくん」と名のり、身体的虐待を受けていたのは3歳の「かーくん」。
保育園の先生の「お兄ちゃん、パパにお顔たたかれたの?」という問いかけに「うん。ぼくの手溶けちゃった・・・」「パパ・・・よる帰ってきて・・・ぼくたたく」と話します。
父親から毎日のように暴力をふるわれている3歳児
連絡を受けた警察と児童相談所の児童福祉司が保育園に向かうのですが、先に到着した警察の姿を見た「かーくん」は、父親に虐待される姿を思い出して、弟を連れて保育園から逃げてしまいます。
このまま親のもとに帰ったら、また暴力をふるわれる可能性があることから、一刻も早く2人を探し出すために警察や児童福祉司、保育園の先生などが懸命に捜索しますが見つけることが出来ず、「かーくん」と「ゆーくん」は母親に見つかり家に連れ戻されてしまいます。
そこに父親が帰ってきて、外出したことを理由に「かーくん」に平手打ちや髪の毛を引っ張るなどの暴力をふるい、火のついたタバコを手に押しつけられます。さらに、母親の躾け方が悪いと言いだし、母親にも「かーくん」にビンタをすることを強要します。
児童相談所の児童福祉司、保育士たちによる捜索活動により、やっと2人の居場所を特定でき家に急行すると、父親に引きずられながら階段を上がっていく「かーくん」の姿が。。
健太たちは「かーくん」を救いだせるのか!?
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全員が被害者という悲劇
「かーくん」は葵の前夫(前の夫)との子供であり、「ゆーくん」は現在の夫(拓真)の連れ子なので、血のつながった兄弟ではありません。
「かーくん」は前の父親(実父)から虐待を受けていて、葵も前夫にDV(ドメスティック・バイオレンス)を受け、PTSD(心的外傷後ストレス障害)を抱えてしまいました。
葵は前夫から逃げたのち、拓真と結婚することになったのですが、「かーくん」は前の父親から受けた虐待のトラウマが残っていて、新しい父親である拓真になつくことが出来ません。
拓真からすると「一生懸命に父親になろうとしているのに、なぜなついてくれないのか?」といおう想いが強くなり、いつしか海斗(かーくん)に手を上げるようになってしまいます。
そうなるとさらに海斗(かーくん)は自分の殻に閉じこもるようになってしまい、自分の感情を放棄して、悲しみと絶望で凍りついた瞳「フローズン・ウォッチフルネス」になってしまいました。
一生懸命に新しい家族をつくっていこうとしていたからこそ起こった悲劇であり、全員が被害者と言える物語です。
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